2023
04.25

「偏差値だけに囚われないでほしい!」から始まったLearning革命チームの模擬授業〜高校生にむけてのプロトタイプ〜(「Learning革命」チーム)

ショートレポート, レポート

延長戦
12月の発表会までに、当初計画していた小学校での授業実施は叶わず。
3学期になり、小学校へアプローチをするものの、かなかなかアポが取れず難航する、Learning革命チーム。

その中で、2月12日、高校生に生徒役になってもらいプロトタイプの模擬授業を実施することに。

参加者は3名の高校3年生。

ゆうきの友達が参加者として集まってくれた。RoyはZoomで参加

当初から、よくゆうきは言っていた「偏差値だけに囚われないでほしい!」と。

授業の目的は「自由な学びをすることの大切さを広めるため。」「日本の“縛られた教育の枠”から自ら外れていくことの大切さを広めるため」など、探求学習を実行している学校に見学し、強く感じた「主体的な学び」の場の必要性をどのように伝えるかを念頭に置きながら、小学生に分かりやすく「学ぶための動機」を授業を通して見つけてもらおうとした。

実は、12月にある塾で小学生に向けて模擬授業をしたいとオファーをした際に、丁寧に且つ厳しいフィードバックのお返事を頂いていた。

・授業のゴールに向かうように、大人側が線引きしすぎているように感じる。
・「勉強の川に流されないで」という表現が、勉強を軽視しているように感じる。
・勉強と夢は、対立構造なのでしょうか?共存できないのか?
など、プロトタイプの完成度が上がらない限り、場の提供や、紹介はできないと言われた。

そこから、また深く自分達の作った授業を見直し、臨んだ今回の模擬授業。

授業の大きなテーマは「皆の将来の夢のために本当に必要なモノコト」
・自分の好きなこと・やりたいことを見つける
・夢/好きなことを言うことは恥ずかしいことではない
など、「授業が終わったらどうなっていたいか?」を今回は明確に決めていた。

緊張感も漂いながら、楽しく明るい雰囲気で始まった模擬授業。

まずは、ひめちゃん、ゆうき、Royがそれぞれ自己紹介をする。
自分の「好き」は何かを強調していた。

RoyはアメリカからのZOOM越しの授業。会場の空気感を掴むことが、少し難しそうにみえた。
アイスブレイクや、個人でするワークを挟みながら、一番伝えたい「勉強の川」の話。

小学生、高校生、大人、と自分の人生の流れに伴う「勉強」を川にたとえて、

「好きなことというボートがあれば、勉強の川にただ流されず行きたい島(場所)に辿りつけるよ」とうさぎのパッペットやパワーポイントを使い、寸劇でひめちゃんが説明した。

授業案を考え始めてから、一番伝えたかった「勉強の川」の話をするひめちゃん

最後は、「自分の好きなこと」や「夢」を書いた手紙を作成した。
「勉強の川をどうやって上手く使いこなせるか」
「好きなことがみんなの心の中にあることによって、将来が変わってくるのではないか」
と締めくくり、授業は終了。

自分の好きを書いた手紙

高校生からは拍手と「すばらしい」の声が。

一方で、具体的なフィードバックや感想も返ってきた。

小学生の弟がいる参加者さんからは、「このコンセプトは小4.5に向けていいと思うなぁ」と。

「将来の夢…小学生ではっきり決まってるかな?それを見つける力がいるんかも知れないね」

「なんで自分が将来のこの夢に憧れたのか、自分ごとを話すのはどう?」

「やりたいことは大体高校の時に考えるよな。封じるんじゃなくて、違う選択肢があることを教えてあげたい」

感想を聞きながら、一生懸命記録をとるゆうき。

「わ〜!」と新しい視点を得たように、しっかりとフィードバックを受け入れるひめちゃん。

Royは「好きなことより、やりたいことを書いた方が夢に繋がるんじゃない?」

「中高生でやりたいことを挟むのは?5つ書くのはちょっと捻り出しちゃうなぁ」
など、改善策を練っていた。

「小学生に将来の夢って聞いたら、すっごい遠い未来のことやん。私たちからしたら将来に近いけど、小学生に近く持っていったらわかりやすいんかな」

とひめちゃんは言った。

やってみて気づくことや、他の意見や、経験を聞くことで授業の相手のことをもっと具体的に想像することができ、前よりも目線を揃えることができるようになった瞬間だったのかも。

Learning革命チームは、「教育」と言う巨大なテーマから自分達の「偏差値ではない勉強の価値を伝える」課題意識を引っ提げ敵対心から共存へと、厳しいフィードバックを真摯に受け止めながら、変化をし進めてきたチームであった。

教育を受けていた側から、教育者側(先生や学校)の視点や思考を知り、「主体的な学び」を実践していたのはLearning革命メンバーひとりひとりであったように見える。

(ワガママSDGs事務局・橋本)