2023
02.07

自分がやってきたことの価値を自分で決める。

ショートレポート, レポート

2022年12月10日、ワガママSDGs神戸二期生の最終成果発表会が神戸のKIP HYOGOで行われました。

「誰にも頼まれてないのに」走ってきた8ヶ月間

「ワガママSDGsに参加したみなさんに共通すること。それは3つ。誰にも頼まれていないのにやる。しかもやっても学校の成績には評価されない。そして自分がやってきたことの価値を自分が決める」。そんな代表湯川からの最初の挨拶のとおり、中高生たちが5月、自分のワガママからスタートし、実行し、少なくとも前進のみではなかった中での現時点。まだ志半ばのチームも含めての発表でした。

今年度、審査員席に座っていただいたのは、この方々。
大手投資信託のファンドマネージャーもされている、株式会社自然エネルギー市民ファンド代表取締役 吉田幸司氏。
新経済連盟の渉外アドバイザーやマカイラ公共政策研究所所長でもある株式会社政策渉外ドゥタンク・クロスボーダー代表取締役の小木曽稔氏。
六甲バター株式会社 執行役員 マーケティング本部長 黒田浄治氏。
スマートニュース執行役員やロクシタンジャポン代表を務めたこともあるStrategy Partners 代表取締役社長 西口一希氏。
教育や環境、マーケティングなど各分野で活躍されている錚々たる顔ぶれを前にしての発表です。

手前から西口氏、黒田氏、吉田氏、小木曽氏。

前進のみではなかった、5チームそれぞれの現時点。

発表トップバッターはLearning 革命チーム。教育に不満を持って「なぐりこみ隊」と名付けていたチーム名をヒアリングや審査員との対話をもとに「敵は先生じゃない」と気づき名前を改めたチームです。

「どんどん思考が変わっていった。たくさんヒアリングして、日本って変わりたいと思ってるんだ、と実感した。今は一緒に「革命」をしよう、という方向に変わった」
「自分が受け身の立場だったから、おかしいと思ってたけど、やる側になって、めちゃくちゃ難しい、と感じた。もっと教育について勉強して将来に繋げたい」
と、ゆうき、たいら、ひめちゃんが感想を述べると、
アメリカからズームで参加したroyも「そもそも探求授業について全然知らなかったけど、生徒も先生たちも向き合ってる姿が新鮮だった。知らないことを知れたことが一番大きかった」とコメント。批判をするのではなく、先生と共に革命を起こしたい。だから今後の小学校での授業実施に向けてまだまだ設計の途中です。

次はKAERUチーム。「その場しのぎで先送りでもいい」というメッセージを大事にしたい、という当初のワガママに立ち返り、不登校の人たちに向けた企画を途中で大きく変更し、イベント実施まで一人でやりきったあん。「自分が変わらなければ人は変えられない」ことに気がついたというあんのコメントが印象的です。伴走した協働コーディネーターでH2Oリテイリングの西田さんも「続きが見たい」とコメントしたほど、彼女が迷いながらもここまでたどり着いた道には続きがありそうです。

コーディネータの山下が東京のあんとオンラインで繋ぎ、発表をサポート。

反スクール法チームは現地での出席はかなわず、録画で発表。理不尽なルールや制服で押さえつけられたくない、とスタートした5人のチームですが、やりたいことのアイデアは出てもそれを形にすることや関わりのない人を巻き込む難しさを実感。最終的にはネットで着たい制服を探して身にまとい、プチ文化祭を実施、制服や校則について討論しました。審査員の吉田さんからは「当初言っていたことが実施できなかったのは残念。校則というものにとどまらず、社会にでていくとルールに不満を持つこともあると思う。でも感想を聞いていると、それにどう対峙するのか、というヒントをつかんだのかもしれないですね」とコメントが。

障害を持った人たちを支援したいという想いからスタートしたChancedチームは、マルシェの反省点をもとに次に繋げる案まで発表。
マルシェでの販売は売り上げとしてはうまくいったものの、果たしてそれが自分たちの本来の目的だったのか。「自分たちや障害者の方々のことをもっと知ってもらうためのパンフレットを今度は配布したい」「今度は若い人に参加してもらえるようにしたい」と京都での再チャレンジを前に意気込んでいました。

最後はメンバー6名と最大メンバー数のShining Rainbowチーム。LGBTQへの理解を深めたいとスタートしたものの、どうやって理解を深められるのか、がなかなか決まらなかった中、LGBTQの支援者を増やすアプローチに方向転換し、ポーズを作ってSNSで広げる案に決定、フォトコンテストを実施。参加者集めに苦労したこと、そもそも理解者を増やすことにつながらなかったことなど反省点も発表しました。審査員でマーケティングのプロ、西口さんから「大失敗ですよね。でも総括して考えていること自体が成功に向かっているってことなんです。そしてここで止まらずにぜひ生の声を聞いて、深堀りしてください」とメッセージ。引き続きコンテスト審査を進める予定です。

時に厳しい審査員のコメントをじっと聞くShining Rainbow チーム。

「具体的に誰を幸せにしたいのか、を考えるのを忘れないでほしい」。

本日の審査員のコメントを受けて、「最初に掲げたビジョンに近づくには?」を最後にチームごとに話し合い発表しました。

まだまだプロジェクトの途中でこれから先も続くチームもありますが、ひとまずは5月からの8ヶ月間の節目となった今回の発表会。

審査員の最後のコメント、
「みなさん最初は自分の気持ちからスタートしたはずなのに、やっているうちに迷って何をやってるんだろう?ということもあったと思う。具体的な誰を幸せにしたいのか、を忘れないでほしい。誰かを喜ばすことで生きていく価値ができるんです。失敗上等、未成年だからこそやってみる」。(西口氏)

「ワガママはそれぞれ違うと思う。一人でも行動する勇気を持ってこれからも進んでください」(吉田氏)

という言葉の通り、ここまでやってきたようにこれからも自分だけのワガママを大事に突き進んでほしいと思います。

(ワガママSDGs事務局・桂)

中高生たちと伴走してきた、コーディネーターや企業や行政から参加している協働コーディネーター、審査員のみなさま、運営を手伝ってくれた一期生たち、そして代表湯川。