10.14
「改めて自分にしかできないことをやりたいと思った」。
【ワガママSDGs京都 STEP1 レポート/ -DAY4-】
DAY1からDAY2/3までの準備段階(各レポートにリンク)を経て、いよいよSTEP1最終日。
自分のワガママと向き合い、プロジェクトを考えてみる1日です。
モヤモヤ、欲しい未來、本来の自分……を書き込んでみる。
まずはプロジェクトシートに書き込んでみることから始まりました。
モヤモヤ、ほしい未來、自分の生きにくさ、本来の自分……。
どの項目から書いてもいいし、仕上げなくてもいい。時間をたっぷり使ってもなかなか埋まらないシートですが、少しは自分のワガママが見えてきた学生も。
プロジェクトシート。好きなところから書き込んでいきます。
自分のワガママを仲間に共有してみる。
そしてチームづくり。
「共感してもらって、協力してくれる仲間を集めることも、プロジェクトを遂行する上でとても重要」とコーディネーターの木下。
誰かの自分事と自分の自分事を掛け合わせることで起こる化学反応だってあるはず。だからまずは自分のワガママから考えたプロジェクトを一対一で伝え合うことになりました。
・自分らしさを表現したい。
・モノを大切にしながら生活したい。
・宮崎県の都農町を、若い人が行き来するような街に。
・みんながまわりを気にせずに、自分のしたいことができる。
・積極的なひとも消極的なひとも公平・平等に意見を言い合えて、反映させられる場。
・先進国の環境破壊がおさまって、途上国の環境被害が最小限に抑えられる未来。
どうしてこのワガママなのか、実体験を結びつけながら目の前の仲間にどうすれば伝わるかを懸命に考えながら話す学生たち。聞く側も真剣です。
共通の想いがあるのか、一緒にやってみる接点はあるのかないのか。
「まだまだ自分は具体的になにがやりたいのかわからない」という学生もいれば、環境問題で意気投合した学生もある中、「一緒にやってみたいな」という人とチームを組んでみることに。
もちろん、誰も見つからなければ一人で進めてもOKです。
「自分らしさが抜けたアイデアは他の人でもできるやん、ってなっちゃう」。
この日はいったん3チームに分かれることに。チームごとに課題をまとめたり、これからどうしたいか、を話し合いました。
話し合っている最中、これは本当に自分がやりたかったことなのか?と迷ったり、相手の言うことをどこまで肯定し、意見するか、に戸惑っている学生もいました。
それでも相手に伝えていくうちに、自分のワガママが明確になることも。そしてSTEP1の締めくくりは、自分たちのワガママから考えたプロジェクトを発表します。
【都農町ラブ】
(れんれん)
「自分の好きな人が幸せに生きていってほしい」というのが彼のワガママ。「最近出会った、宮崎県の都農町の方達が抱える問題をなんとかしたいんです」という想いは強く、一人でのプロジェクト。「銭湯好きな自分だから、サウナづくりのお手伝いができれば」「ワインが有名だからアロマをつくりたい」など若者を増やす仕組みを提案。その場にいた経営者、教育関係者など実践を積んでいる社会人からフィードバックも。「せっかくだから自分の好きな香りを大切にしては?突き進んでほしい」「あとはやるだけ。やってみましょう」との言葉に、緊張していた面持ちもほぐれていました。
【環境チーム】
(はっせー・たまもん)
環境問題に取り組みたいという二人が意気投合し、チーム結成。チームごとに話し合う段階でもずっと二人でお互いの考えを話し込んでいました。発表では「地方分散」「海藻を海に増やす」などのキーワードがでてきましたが、「せっかくなら楽しいことをプラスしてみては」「自分らしさが抜けたアイデアは他の人でもできるやん。ってなっちゃう」などのフィードバックに深くうなずく場面も。
【自分らしさチーム】
(みゆ、ふうが、ライハ)
「自信のない人が行きたいなと思う場所をつくりたい」というワガママ。「でもどんな場所がいいのかというのはまだわからないからヒアリングしていきたい」というチームに、社会人からは「このチームでいる喜びは?」との鋭い質問が。「私は自信があるからこそ、自信があったらどういう面がいいのかを伝えられるかも」(みゆ)「自分がしたいことができる環境、未來を目指したいから」(ふうが)「自信のある、なし関係なく公平に意見が言い合える場所がほしい」(ライハ)と、それぞれ自分に問いかけながら答えていました。
会社経営者、大学院生などからフィードバック。
「自分にしかできないこと」を問い続けた1日の終わり。
ワガママの具体化からチーム作り、プロジェクトへの進展まで、駆け抜けた1日。
学生たちの最後のコメントです。
「改めて自分にしかできないことをやりたいと思った」
「みんなのワガママを聞けてよかったけど、自分のワガママはまだあまり明確化できてないかも」
「自己開示すること、物事をいろんな視点から見ること、が大事だと思った」
「交流して新たなアイデアも生まれた」
1日で自分のワガママをプロジェクトにするのは難しい。でも動いてみたから次に向かって見えたものもあるのかもしれません。
実はプログラム終了後、ずっと学生を見つめていたワガママSDGs主催者の湯川がみゆに話しかけるシーンが。
「大丈夫? ワガママに行きな!」という湯川の声かけに「あー。あかん、泣きそう」とみゆ。プログラム途中で彼女がどんどん苦しそうな表情になっていく姿を気にしていた湯川。
チームのメンバーは何がしたいのか?自分はどうあるべきなのか?と真摯に向き合っていた彼女は「正しさ」を意識しすぎて自分がやりたいことを見失ってしまったのかもしれません。
「誰でもできることなら、あなたがやらなくていいのかもしれないよ」とコーディネーター木下も入って話し合い、彼女のワガママをもう一度ゆっくり考えることになりました。
自分しかやらないだろうということを形にできる。ワガママSDGsがそんな機会になるといいなと思います。
(ワガママSDGs事務局 桂)