10.12
ワガママってなんだ?―手探りで実践しながら歩んできた3名の講演
【ワガママSDGs京都 STEP1 レポート/ -DAY2・3-】
自分を知ること、そして参加者同士の関係の質を深めることを軸にしたDAY1に続き、
DAY2・3はワガママを実践してきた講師の講演です。
社会のためというけれど、社会のためって一体なんなのか。
タイの少数民族「アカ族」のコーヒーとの出会いをきっかけに大学在学中に起業した三輪 浩朔さん。
自分たちで決めたこと、決めた商品だからこそ走り続けて来られたと話す三輪さんですが、自分たちが社会起業家と呼ばれることやSDGsへの取り組みということでフィーチャーされることに葛藤したことも。
自分たちは、好きなコーヒーの価値を広めたい!という想いでやってきただけだ……
「社会のためというけれど、社会のためって一体なんなのか」。
そんな葛藤の中で三輪さんはこう納得したそうです。
「”社会”とは目の前にいる大切な人との関係のことだから、目の前にいる人を大切にすることが”社会のため”になるということ」。
「ワガママ=自分事」から始めることの大切さを改めて実感している様子でした。
自分たちがこの活動を辞めてしまえば、この実態は変わらない。
DAY2、午後は京都府南部の笠置町を拠点に、鹿やイノシシの獣害被害という社会課題解決に取り組んでいる笠井大輝さんからのお話。
学生時代に知った、獣害被害と埋設焼却処分の事実。「せめて命をおいしくいただく社会でありたい」と起業した笠井さんですが、知らない地域に入っていって苦労したり、コロナ禍での売り上げが立たないことも。
それでも学生時代に目の当たりにした、命が捨てられてる風景を思い出し、「自分たちがこの活動を辞めてしまえば、この実態は変わらない」という想いは強く、「辞めようと思ったことはない」という笠井さん。
さらに獣害被害という目の前の課題だけでなく、生態系サービスに最大限の価値想像を追及したいという志も語ってくださいました。ワガママ(自分事の課題)を持ちながら、大きな視点、視野をもって実践していらっしゃいました。
DAY2/3の会場は京都市役所前にある「QUESTION」内、「STUDENTS LAB」
人のワガママを全力で応援することが自分のワガママ。
最後はインターネット企業「はてな」の創業や、シリコンバレーの仲間とともにVoice4u株式会社の創業に関わってきた近藤令子さん。
「女の子は短大くらいでて、旦那さんを支えて」という価値観から脱し、企業の内定を断って、道なき道を歩んだ近藤さんは、人のワガママを全力で応援することが自分のワガママだと気がついたそう。「みんなのあり方、beingを大切にしてください」と中高生にメッセージを。
3名の講師のみなさん、まさに計画された道ではなく、手探りで実践しながら歩んできた道のりを中高生たちに語ってくださいました。
DAY2,3を終えて、中高生からは
「失敗しても経験の方が計り知れない、無駄にはならないのだと思った」
「3人に触れて沸き立っている」
「好きなことに対して自分が取り組めることは最高、という3人の共通のメッセージを感じた」
「やりがいしかない、という言葉が響いた」
との声が。
いよいよDAY4は自分たちのワガママを探ります。
(ワガママSDGs事務局 桂)
手前右から笠井さん、三輪さんと学生たち。