シン・エナジー株式会社様 インタビュー

シン・エナジー株式会社 佐藤日向子

佐藤日向子

シン・エナジー株式会社
人事部人事課/経営企画部ブランドコミュニケーション課

地元のアジやタイとかが並んでたら安心するかも

ワガママ編集部 シン・エナジーさんは、「電力、とか再生可能エネルギーの会社」ということですが、「再エネ」ってわりと耳にする言葉なのに、よくわかりません。どんなことをしているのですか?

佐藤 再生可能エネルギーとは、地球資源の一部として、常に自然界に存在するものです。…といっても、かえってわかりにくいですよね。たとえば逆に「再生可能エネルギーじゃないもの」は、「有限なもの」なので、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料になります。「枯渇」とかが問題になっていますよね。そうじゃない再生可能エネルギーは、太陽光、地熱、バイオマス、バイオガス、水力、風力などです。私たちはそれらを「開発すること」と「地元で使える仕組みづくり」、大きくこの2つに取り組んでいます。 あの、さらにもうひとつ、わかりにくいことを言わせてください。なんとなく地球に優しそうなことをしているように見えるかもしれませんが、私たちの目的は、「再生可能エネルギーの普及」や「CO2 の削減」ではなく、それらを手段として木材、ごみ、風、あらゆる自然資源を循環させることで、持続可能な暮らしや経済を実現することなんです。

ワガママ編集部 それって、私たちにも、何かいいことあるんでしょうか?

佐藤 たとえば化石燃料って、遠くのものを買って、さらに運ぶために化石燃料使って、私たちが払うお金ってすごく遠くのところにいって終わりですよね。でも地域によって、そこに合わせたエネルギーを作って、そこで使うことができるようになれば、地域でお金もまわっていく。だから私たちは、「その地域に合わせたエネルギー」を「地域の事業者さんと一緒に」開発するんです。エネルギーっていうと電気がまず思いつきますが、熱も立派なエネルギーです。主役は地域のひとたちという前提で、地域で、でどころがわかるエネルギー、なくならないエネルギーをつくって使おう、という取り組みです。その方が、安心して毎日を過ごせません?

ワガママ編集部 たしかに、お刺身を食べたくても外国のタコとマグロしか売ってなかったら食べられなくなる日が来るかもしれないけど、地元のアジやタイとかが並んでたら安心するかも! なんとなくわかりました!

佐藤 そうなんです!!エネルギーって、一次産業なんです!

「自然ってすごい」「自分はそこから何かをつくることができる」

ワガママ編集部 そんなシン・エナジーさんが、なぜ、ワガママヴィレッジに協力されることになったんでしょう?

佐藤 地域の中高生と私たちのような社会人が一緒に力を合わせて「ワガママ」を実現していくということは、一見やっていることは違うんですけど、方向性は同じだと感じたんです。やった、一緒にできたら楽しそう、ラッキー! と思いました。 そして、自分も現場で参加させていただいて、中高生が初めて知ったり切ったりしながら「竹ってすごいね~」「おもしろいね~」と言っていることに、感動を覚えました。みんな普段は、自然から離れた暮らしをしていると思うし、私もそうです。それでもこうして自然と接すると、自然の価値を再認識するんだな、と。「自然ってすごい」「自分はそこから何かをつくることができる」という気づきは、まさに、私たちが事業を通じてみなさんと感じていきたいところなんです。

ワガママ編集部 あの、現地行くと、すごく気分が良いじゃないですか。それって「ソーシャル・グッドなことをしている気持ち良さ」とは違うと思うんですよね。あれって何でしょうね? みんなそれぞれになんとなく自分の役割を見つけて、それをひたすらやっているだけだったりするんですけどね。佐藤さんはあの日たしか…

佐藤 ひたすら竹を切って、ひたすら炭にし続けていました。没頭してました、3時間くらい。仕事なら、まずないですよね(笑) なんでしょう? …オフィスで働いている自分としては職場と違って、竹を切ったり焼いたりする現場は、ミスをしたらケガをしたり痛い思いもするし、焼いていると明確に危ない熱さを感じますよね。そういう、楽しさと表裏一体で危険性もあるような、ふだんの安全圏から出ている感覚が、「ひたすら」やり続ける気持ち良さや集中力につながっているように思います。

ワガママ編集部 すでに用意された場所じゃなくて、耕作放棄地とか放置竹林で、自分たちが何かをつくっていくのだというのが、なにか本能を呼び覚ますというか。これが、「自然から自分が何かをつくること」が生むパワーなのかもしれないですね。現代では普段、そんな機会ないですものね。まず怒られますもんね、植物切ったり、燃やしたり(笑)

「本当にこれが正解なのだろうか」と問い続ける

ワガママ編集部 佐藤さんから中高生へのメッセージを、お聞かせいただけますか?

佐藤 エネルギー業界に身を置きたい!と強く志した私個人としてお伝えしたいのは、「世の中の潮流は“再エネ”だけど、本当にそれがいいかわからないよ」ってことです。

ワガママ編集部 えっ!?

佐藤 石炭や石油が使われてきたのも「その時代にとっての正解」だったと思います。再エネも、やり方によっては、地域コミュニティの分裂を引き起こしたり、安全でない方法で開発を行って被害が出ることもあります。だから、流行りで言われていることだけを信じないで、実際に生で見たり体験することや、少し懐疑的であること、そしてその手触り感なんかを大事にしてほしいと思っています。シン・エナジーの会社員としてもずっとそうでありたいと思っていますし、多くの仲間もたぶんそうなんじゃないかなと。

ワガママ編集部 びっくりしました。でも、常に「自分は正解を見つけたのだ!」ではなく、「本当にこれが正解なのだろうか」と問い続けることって、すごく大事なことですし、素敵なことだなと思いました。佐藤さん個人としてのメッセージは何かありますか?

佐藤 …大人は意外とちゃんと楽しくやっているよ、ということでしょうか。自分を振り返ると、大人って、どうせみんな仕方なく惰性で仕事してるんだろー、って思っていたような気がするんですよね。でもいざ“社会人”になってみると、会社に勤めていても個人でも、みんなそれぞれ思いがあったり悩んだりしながらぶつかって仕事をしている。それってなかなか格好良い、と感じてます。自分もいきいきしているので、大人になることは怖くないよってこと、伝えたいかなと思います。

ワガママ編集部 そんな佐藤さんのワガママは…

佐藤 竹炭の石鹸づくりです! 私は現場にでることは少ないのに、行くとなぜか毎回畑か森で作業着に泥汚れがつくんです。なかなか洗っても取れなくて、常にお尻に泥汚れがついている恥ずかしい状態なんです。なんとかしたい! 竹の作業でついた泥汚れを、竹炭の石鹸で綺麗にして、その作業服でまたどんどん竹を切っていきたいです!!

ワガママ編集部 めちゃくちゃ循環してますね!(笑)